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トレンドウォッチング
各地で続々実施、地元検定
CULTURE
知識を深めていく快感や、学ぶことの楽しさ…。ここ何年もシニア世代を中心に、カルチャーセンターが大盛況です。しかし、それだけに飽きたらず、今度は学んだことの証として資格を持とうという人が増えてきています。そうしたニーズを背景に各種の資格検定が行われていますが、ここにきて地元の蘊蓄を学ぶ「地元検定」が注目されています。
検定がブームです

「東京シティガイド検定」の公式テキスト『地球の歩き方 大江戸東京の歩き方』
((財)東京観光財団TCVB/著 ダイヤモンド・ビッグ社/刊 2,100円)

問題例:
江戸城の正門は(  )であった。
A. 桜田門 B.半蔵門 C.大手門 D.平川門


「京都検定®」の公式テキストブック『京都・観光文化検定試験』
(京都商工会議所/編 森谷尅久/監修 淡交社/刊 2,100円)。

問題例:
太秦という地名は、秦氏がある産物をうずたかく積んで、天皇に献上したことにちなむ地名と伝えられるが、その産物とは何か。
A.塩 B.絹 C.米 D.綿



京都商工会議所からは第1回試験の『問題と解説』(952円<税別>)。第2回試験の『問題と解説』(1,143円<税別>)も出ている。


「鹿児島観光・文化検定」の公式テキストブック『かごしま検定』
(鹿児島商工会議所/編 南方新社/刊 2,100円)。

問題例:
本土最南端の佐多岬と、ほぼ同緯度にある都市はどこか。
A.ニューデリー(インド) B.カイロ(エジプト) C.サンフランシスコ(アメリカ)



「房総(千葉)学検定」の公式テキストブック『房総(千葉)学検定』
(ふるさと文化研究会/編 国書刊行会/刊 2,730円)。

問題例:
千葉県の特産の果物は。
A.スモモ B.ブドウ C.ウメ D.ビワ



「明石・タコ検定」の公式テキストブック『明石・タコ検定』
(明石・タコ検定委員会/編 明石浦漁業協同組合・山嵜清張/問題作成 神戸学院大学・角村正博/監修 パパコーポレーション/刊 1,000円)。

問題例:
明石ダコの旬は何月ごろ。
A. 1月ごろ B. 7月ごろ C. 10月ごろ


※ 書籍の価格はすべて税込です。

※(問題例のこたえ)
C. 大手門/B. 絹/B. カイロ(エジプト)/D. ビワ/B. 7月ごろ(水温が上がり餌であるエビやカニが増えるのでこの時期に成長するため)

ビジネスに、余暇に、ワンランク上を行く気持ちを持った人たちに人気なのが“検定”です。ビジネスでは景気低迷期に自らの専門性を高め他者との差別化を図る目的で資格を取得する傾向が強くなりました。しかし、最近ではコーチングなどコミュニケーション能力を高める資格が人気のようです。

プライベートでの資格取得は2つの傾向に分かれます。ひとつは、いままではビジネスで使われていた資格を、仕事と関係なく自分の趣味のために取得する人たちです。「日本茶インストラクター」「焼酎アドバイザー」「愛玩動物飼養管理士」「証券外務員二種」などがこれに相当します。この背景には、政府の規制緩和推進策の影響もあるようで、以前はこうした資格は業界内だけで通用し、その職業に従事する人以外は受験の道さえ閉ざされていた検定もあります。これが広く開放されたことで、一般の人の興味を引いたようです。そしてもうひとつは“究める”というもの。「忠臣蔵通検定」や「時刻表検定」などなど、趣味が高じてその道をとことん究めたいという人にぴったりの、ちょっとニッチな検定です。

こうした検定ブームのなか、最近注目されはじめているのが、地元の歴史や文化を学び、観光ガイドや街おこしに活かそうという「地元検定」です。日本では、2007年を境に団塊世代が大量に退職することが社会問題にもなっていますが、彼らのライフワークとして、“地元”が注目されているようです。しかし、地元に興味をもっているのはシニア世代ばかりではありません。最近はブログやミクシーなど自分でも手軽に情報発信できるようになったことから、そのネタとして身のまわりのことに目を配るようになった若い人たちの“地元注目率”もアップしています。こうした現象も「地元検定」ブームを下支えしているといえます。

「東京シティガイド検定」と「京都検定」に代表される地元検定
「地元検定」のはしりは東京観光財団の「東京シティガイド検定」です。「東京の成り立ち、生活、そこから生まれた文化などをトータルに学び、国内外のお客様に東京を紹介できる人材の育成」をめざし、2003年にスタートしました。検定はマークシート方式による選択問題で70問出題され100点満点中、70点以上獲得すると合格です。出題は公式テキスト『地球の歩き方 大江戸東京の歩き方』に準拠した問題が50問、観光関連の一般常識問題が20問となります。今年11月3日に実施した第4回目の試験結果はまだ出ていませんが、過去3回の試験ですでに1,500名ほどが合格しています。

また、京都商工会議所が主催するのが「京都・観光文化検定試験®」(通称「京都検定®」)。今年で3回目を迎えるこの検定は、1級から3級に分かれています。3級は京都の歴史・文化などについて、基本知識を試すもので公式テキストブックの『京都・観光文化検定試験』から90%以上が出題されます。しかし、1級ともなるとこれに加え小論文テストもあり、単に知識をもっているだけではダメ。「京都の魅力を発信でき、次世代に語り継ぐことができる能力」が問われます。


続々増えていく「地元検定」

東京、京都に続き「地元検定」は次々と登場。今年に入ってからも「鹿児島観光・文化検定」や「房総(千葉)学検定」などがスタートしました。「鹿児島観光・文化検定」は4月に第1回目のマスター試験を開催。公式テキストブック『かごしま検定』を中心に、鹿児島の自然・歴史・文化・地域・経済の5分野から合計50問が出題され、6歳から81歳まで幅広い世代が挑戦しました。一方、7月に第1回目の試験を行った「房総(千葉)学検定」はインターネットによる受験も可能。出題は、千葉の歴史や地理、観光から出身有名人まで幅広く、会場受験では50問、WEBでは同じ時間内で100問の設問に回答しなければいけません。

このほか来年から実施予定のものとして、「かながわ検定」や「鎌倉検定」があります。「かながわ検定」は「神奈川ライセンス」と「横浜ライセンス」の2本立てで、来年3月にまず「横浜ライセンス」からスタートし、将来的には「湘南ライセンス」「川崎ライセンス」など、県内の一定エリアを対象にしたライセンスを増やしていく予定といいます。また、世界遺産をめざす古都・鎌倉の「鎌倉検定」も来年から実施予定。当面は3級からスタートし、順次上級の資格も設定していくそうです。

さらに明石ダコや明石鯛をはじめとしたお魚通をめざす「明石・タコ検定」、男鹿の独自文化ナマハゲを深く知ることをめざす「ナマハゲ伝道師認定」等々ユニークな検定も含め、現在日本全国で70以上の地元検定があります。こうした検定は公式テキストが市販されていることも多く、それを勉強することで検定試験に備えるようになっています。試験を受けないまでも、このテキストを読むだけで郷土の蘊蓄がいろいろわかり、ひと味ちがった歴史・文化の読み物として楽しむことができます。また手元に置いておけば、外国の方に郷土のこと、日本のことを聞かれたときの強い味方になってくれそうです。

取材・文:畠山かおる
取材・写真協力: 東京観光財団(東京シティガイド検定)
  京都商工会議所(京都検定)
  鹿児島商工会議所(かごしま検定)
  NPO法人ふるさと文化研究会(房総(千葉)学検定)
  かながわ検定協議会(神奈川検定)
  鎌倉商工会議所(鎌倉検定)
  明石地域振興開発(株)(明石・タコ検定)

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